『トムブラウンの学校生活』読了

岩波文庫の上下を完読したのは初めて。古い小説なのにこんなに読みやすくて楽しく感じたのは自分でもびっくりした。旧字体が沢山あって、読むのに一苦労したけど、その分辞書を引く癖がついて、得るものが多かったと思う。

内容は、英国パブリックスクールラグビー校を舞台にした、少年のトムブランの成長を描いた物語。パブリックスクールを卒業して、オックスフォードやケンブリッジに進学するというのが、英国エリートの歩んだ道で、卒業生は18世紀から19世紀の大英帝国繁栄を支えた。人文学的教育がメインで、ギリシア語、ラテン語の読解、詩作が学ぶ大半であった。

パブリックスクールの一番の特徴は、当時としては珍し全寮制で、常に学校、もしくは学校周辺に身を置いていたこと。僕は寮生活をしたことがないので、イマイチぴんとこないところもあるが、先生ー生徒の関係よりも、寮での生徒―生徒の関係から得るものが大きく、そこでの生活で少年たちは薫陶されていく。

ラグビーラグビー校が名前の由来。少年たちはラグビークリケットに夢中。エリートとは、頭ではなく、むしろ健全な身体によって作り上げられるのだ。不撓不屈の精神を養う場としても、パブリックスクールは大きな役割を果たした。

トムブラウンも、ラグビー校に入学して以来紆余曲折を得て、立派な英国紳士になっていく・・・。

 

読んでいて大変だったのが、キリスト教の知識ね。やっぱり外国文学にはキリスト教が欠かせないんだな。劇中でもキリスト教による道徳精神は重要なテーマになっているのだが、いかんせん僕は宗教をあまり知らないので、「げっキリスト教のお説教かよ・・・」と後半は思うようになった。

しかし、キリスト教や英国の知識がなくても十分楽しめる内容になっているので、ぜひ手にとって読んでほしい。本当に面白いし、ユーモアにあふれた文章となっております。

おわり